謙虚と傲慢
2022.10.19
先日,帰り際の塾生と心の
有り様の話になりました。
話の流れで
「謙虚さが大切だよね。」
と伝えると
「学校の先生が同じことを
言っていました。」
と教えてくれました。
大学受験の準備を進めていると
傲慢になっていく子がいます。
「〇〇高校に通っている自分は
すごい。」
「〇〇大学は偏差値が低いから
行く価値がない。」
「〇〇という仕事は誰にでも
できる。」
といった具合に,周りの人が離れ
ていくような言動もしばしば見ら
れます。
一方で,本気の頑張りを通して謙虚
な姿勢を手に入れる子もいます。
「自分より頑張っている人がいる。」
「本気でやってみると周りのすごさ
が分かる。」
この謙虚さが頑張りを加速させます。
また,人間の能力差は基本的に
「ヒト」という範囲に収まります。
例えば,高校生男子の100m走の
平均タイムは12.27秒,日本記録
は山縣亮太選手が記録した9.95秒
です。この0.01秒を縮めていく
努力は本当に尊いものですが,
この差もあくまで「ヒト」という
範囲内です。チーターは100mを
5.95秒で走り抜けるので,一般
人と日本代表の差よりも「ヒト」
と「チーター」の差の方がはるか
に大きいです。そういう観点から
も自分の能力だけを過信し,傲慢
な態度で仲間を失うよりも,謙虚
な姿勢で仲間を増やしていく方が
メリットが大きいです。
とは言え,ある程度の傲慢さは若さ
ゆえです。凸凹があっても良いので
色々な方向に大きく自分の可能性や
能力を伸ばしておくと,社会に揉ま
れて棘が丸くなったとき,大きな球
のような人間になれます。
逆に,あまりにも「大人が求める良い
子像」にこだわる子は伸び悩む傾向が
あります。
「中身のない返事や挨拶は得意。」
「大人の顔色ばかりうかがっている。」
これだけが世界との関わり方になると
小さな球のような人間になります。
傲慢さをコントロールしながら
基本的には謙虚に。
これくらいの心の有り様が,バランス
の良い状態なのではないでしょうか。
心の軸のずれを感じたときの参考に
してください。
(田中)
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