伏見稲荷大社
2019.08.15
こんにちは!社会科の伊藤です。
今日は台風10号が西日本に上陸し、荒れたお盆休み、終戦記念日となりました。
鉄道各社も運転を見合わせるなど、交通機関にも大きな影響が出てしまいました。
台風は恵みの雨をもたらしてくれる一方で、人的・経済的な被害ももたらしてしまいます。
自然とうまく付き合うというのは難しいものです。
そんな夏期休講期間、皆さんはいかがお過ごしですか。
私は故郷広島に帰省し、夏期講座前半の心身の疲労回復に努めています。
広島に帰るときは毎回そうなのですが、今回も新幹線ではなく車での帰省です。
新幹線の方が時間もかからず楽なのですが、私は基本的に毎回車移動です。
車だと、目的地までの道中にさまざまな場所を訪れることができます。
気の向くままに、あちこちを観光できる。
車での旅の醍醐味はそこにあると思っています。
今回も例にもれず、広島までの道中にいくつかの場所を旅しました。
朝5時30分に家を出て、まず向かったのが、京都の伏見稲荷大社です。
千本鳥居が有名で、海外からの評価も非常に高い、大変美しい神社です。
愛知県からの所要時間は高速でおよそ3時間。
午前8時30分ごろ、目的地に到着しました。
全国に約30000社あるといわれる「お稲荷さん」の総本宮である伏見稲荷大社。
奈良時代の和銅4年(711年)にここ稲荷山に鎮座され、平成23年(2011年)に1300年を迎えた歴史ある神社です。
普段は多くの人と車でごった返しています。
幸いなことに朝早い時間だったため、駐車場にも空きがあり、すんなりと入ることができました。
まず現れるのが、朱塗りの楼門です。
青空をバックにした朱色の鳥居。実に綺麗でした。
そして楼門をくぐって参道を進むと、本殿が見えてきます。
重要文化財に指定されている歴史的な建物です。
応仁の乱の兵火に見舞われ、応仁2年(1468年)に焼失、その後1499年に再興された歴史ある建物です。
五柱の神様が一堂に祭られています。(神様の数え方は「柱」なんですよ。)
本殿でお参りを済ませた後、伏見稲荷大社の名所、千本鳥居に向かいます。
朱塗りの鳥居が立ち並ぶ様子は圧巻でした。
非常に見ごたえがあり、また神聖な雰囲気があります。
時間が時間だったため、そこまで人も多くなく、静かに神聖な雰囲気を堪能することができました。
最も身近な神様ともいえる「お稲荷さん」を崇敬する人々が、感謝と祈りの念を表すために、奥社参道に鳥居を奉納してできあがったのが、この千本鳥居です。
江戸時代くらいから、そのような信仰があり、現在にまで受け継がれているそうです。
鳥居の彩色に用いられる「朱」は「あけ」と読みます。
この「あけ」という言葉には、赤、茜、明、などの全ての明るい気持ちをその語感にもち、その色は、生命、大地、生産の力を持つ稲荷大神の御霊であるとされています。
自然のあらゆるものに神を見出し、自然の恩恵に感謝し、またその脅威から守るための祈りをこめて神社という形にして残し、伝承する。
近代以降、自然は人間が支配し、人間の都合の良いように改造できるという思考が世界中で喧伝されてきました。
われわれは、ともすると人間は万能なんだという愚かな錯覚にとらわれてしまいがちです。
しかし、この稲荷大社の神域には、自然を征服し、支配するという感覚は一切感じられません。
むしろ自然と人間が調和し、受容し、敬意をもって接する、という温かみが感じられます。
豊かな自然の中で生きてきた農耕民族の日本人が生み出した和の心がそこにはあるような気がします。
これからも本当に大切にしていきたい、日本人の精神だと思います。