Hさんとの戦い
2022.12.07
毎年恒例の健康診断でした。
身長,体重,聴力,視力,血圧の
検査は一人の看護師さんが対応し
てくれます。
今日の担当はHさん(仮名)でした。
Hさんは大学卒業したての雰囲気が
あったので「卒塾生で看護系の進路
を選んだ子もこうやって働いている
んだなー」と感慨深い気持ちになり
ました。
身長,体重,聴力まで非常に和やか
な雰囲気で進みました。
問題は視力検査です。
そもそもランドルト環の存在を確認
できない無意味?な裸眼検査後に,
眼鏡をかけた状態での検査が始まり
ます。
普段なら2回連続でパスor間違え
ると,検査が打ち切られますが,
Hさんは「まばたきをしてもダメ
ですか?」と,僕の視力の伸び,
可能性を信じてくれました。
「期待にお応えしましょう。」
心の中でそう宣言し,検査を続行
しました。
ミスした問題をクリアすると,さら
に小さい問題が出題されました。
「Hさんも本気ですね。
良いでしょう。」
限界まで目を凝らして,自己ベスト
に近い記録を叩き出しました。
残るは血圧検査です。
ここでおかしなことが起きます。
戦友であるはずのHさんが無表情
になっています。
対応もどこか素っ気ないものに…
おそらくHさんは僕の可能性を
信じてくれたのではなく
「こいつめっちゃ粘るやん。」
「視力1.0も0.9も大して変わら
ないよ。」
という心情になっていたのでしょう。
何はともあれ,今年も健康優良児
でした。
(田中)